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関連用語:
信義則
権利濫用の禁止
私的自治の原則

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私的自治の原則とは

私人の法律関係は、その自由な意思に基づいてなされるべきだという考え方を"私的自治の原則"という。民法の三大原則の一つである。私人間の経済活動などに公人や公的機関は介入すべきではないとし、私人個々の自己責任による自由な意思決定を意味する。ただし、この原則も多分に修正されている。

"私人"とは、一般的には公務員などの公の立場にいない者をさす

私的自治の原則に含まれる原則

この私的自治の原則という考え方から、必然的に以下のような原則も導かれる。

契約自由の原則

"私的自治の原則"は、私人間の法律行為は個人の自由意思によってなされるべきだという法律行為自由の原則を保障する。経済活動の多くは契約をによるので、この原則には"契約自由の原則"も含まれる。

契約締結の自由 契約をするかしないかを自由に決められる
相手方選択の自由 契約の相手方を自由に決められる
契約内容の自由 契約の内容を自由に決められる
契約方法の自由 契約の方式を自由に決められる

団体結社の自由

個は集まり、団体となって経済活動もする。よって私的自治の原則には団体結社の自由も含まれる。

遺言の自由

死後における財産の処分の内容について、原則として遺言によって自由に定めることができるとする"遺言の自由"も含まれる。

過失責任の原則 / 過失責任主義

他人に損害を与えたとき、その損害が故意または過失という帰責性(=わざとまたは不注意という責める点)がなければ、加害者が責任を負わないとする考え方を"過失責任主義"という。過失とは一般人に期待される程度の注意を怠ったことである。

ただし、被害者保護の観点から一定の修正もみられ、加害者に故意や過失がなくても損害賠償責任を負うべきとする"無過失責任"を採用する法律・条文もある。(例:製造物責任法)

詳しくは過失責任の原則と無過失責任をご覧ください

私的自治の原則の例外:私権を制限するものとは?

私権を制限するもの
▲私権を制限するイメージ

人は本来"私的自治の原則"により自由に法律行為をすることができるが、あまりに自由すぎると弊害もあるので、私権を制限する必要もでてくる。それは民法1条に3つ示されている

第1条(基本原則)

  1. 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
  2. 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
  3. 権利の濫用は、これを許さない。

1条や公序良俗に関する90条のように、抽象的な基準しか定められていない条文を一般条項という

公共の福祉

1条1項では、私権という権利そのものが、公共の福祉、つまり社会一般の利益に反するものであってはならないとしている。憲法13条でも「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」という規定がある。

信義誠実の原則

1条2項にあるように、相手方の信頼を裏切ることのないよう誠実に行動すべきであるという原則を「信義誠実の原則」または信義則という。この考え方は、多くの派生原理をうみ、それぞれの原理が自由な私権行使を制限する。詳しくは、信義誠実の原則とは信義誠実の原則からの派生原理をご覧ください

権利濫用の禁止

1条3項にもあるとおり、権利をむやみに濫用してはいけないという考え方を「権利濫用の禁止」という。権利を主張することが一見正当にみえることでも、社会的にみて許容できないような場合に、この法理が適用される。詳しくは、権利濫用の禁止とはをご覧ください



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