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関連用語:
信義則
私的自治の原則

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権利失効の原則

権利者が永い間権利を行使しなかったことで、相手がもう権利は行使されないだろうと信じていた場合、突然その態度を変えて権利を行使することは許されないという考え方を権利失効の原則という。

一定の要件のもとに権利の消失を認める消滅時効とは違い、この原則が適用されると権利が行使できなくなるので、通説・判例とも、適用は慎重にすべきだとしている。(詳しくは「消滅時効」にて)

根拠

信義則の派生原理

権利失効の原則については、民法の条文に規定されてはいないが、民法1条2項の信義誠実の原則が導くひとつの法理であると考えられている。"信義誠実の原則(信義則)"とは、"相手方の信頼を裏切らず誠実に行動せよ"という考え方である。

第1条(基本原則)

  1. 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
  2. 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
  3. 権利の濫用は、これを許さない。

民法の原則のひとつである「私的自治の原則」によって、人は自由に法律行為をなすことができるのが原則であるが、その自由にも制限がある。民法1条の「公共の福祉」「信義誠実の原則(信義則)」「権利濫用の禁止」に適合しなければならない。信義則の派生原理である権利失効の原則とは、すなわち私権を制限するひとつの原則である。

関連判例

引用(最判昭和30.11.22『仮処分異議事件』)

『権利の行使は、信義誠実にこれをなすことを要し、その濫用の許されないことはいうまでもないので、解除権を有するものが、久しきにわたりこれを行使せず、相手方においてその権利はもはや行使せられないものと信頼すべき正当の事由を有するに至ったため、その後にこれを行使することが信義誠実に反すると認められるような特段の事由がある場合には、もはや解除は許されない』

権利失効の原則の適用要件についての言及はあるが、この事例では結局、原則は適用されていない。

引用(最判昭40.4.6『所有権移転登記抹消等請求 』)

土地を目的とする代物弁済予約に基づく完結権を行使しうる時から約一五年後に完結の意思表示がなされた場合でも、右予約による所有権移転請求権保全の仮登記が経由されているときは、他に特段の事情のないかぎり、いわゆる権利失効の原則により権利が失われることなく、右完結権の行使は有効である。

信義則が導くその他の法理

信義則はほかにも以下のような法理・原則を派生させる。



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