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関連用語:
信義則
私的自治の原則

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契約締結上の過失

契約を締結する過程で、当事者のいずれかの過失によって契約が不成立となった等の場合は、相手方に生じた損害を賠償すべきだという考え方を導くのが契約締結上の過失の法理である。

条文に規定はないが、多くの学説がこの法理の根拠を信義則にみいだしている。すなわち、契約を結んだ「後」に債権・債務が発生しそれに伴う損害賠償請求があるというのは当たり前だが、契約を結ぶ「」、その準備段階でも信義則から注意義務があるとする。

根拠

信義則の派生原理

この考え方は、上述したとおり民法に明確に記されていないが、民法1条2項に規定された信義誠実の原則が導くひとつの法理であるとされる。"信義誠実の原則(信義則)"とは、"相手方の信頼を裏切らず誠実に行動せよ"という考え方である。

第1条(基本原則)

  1. 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
  2. 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
  3. 権利の濫用は、これを許さない。

民法の原則の一つである「私的自治の原則」により、人は自由に法律行為をなすことができるのが原則であるが、その自由にも制限がある。民法1条の「公共の福祉」「信義誠実の原則(信義則)」「権利濫用の禁止」に適合しなければならない。信義則の派生原理である事情変更の原則とは、すなわち私権を制限するひとつの原則である。

契約締結上の過失により発生した損害賠償の範囲

損害賠償請求は信頼利益に限るとされている。(履行利益までは請求できない)

"履行利益"とは「この契約が成立していたらこれだけの利益があったのに…」と思って算定された額、"信頼利益"とは「この契約は有効に成立するだろうから、こんな費用をかけておこう」と思って支出された額。契約締結上の過失の場合は、後者である"信頼利益"が限度ということ。

信義則が導くその他の法理

信義則はほかにも以下のような法理・原則を派生させる。



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